コンテンツに飛ぶ | ナビゲーションに飛ぶ

パーソナルツール

Reference and guide to SFIA version 7. Framework status: Current standard.

SFIAとスキル管理

SFIAはスキル管理サイクル全体への共通言語を提供する。これは、ライン長、人事部、従業員など、関連する全員のコミュニケーションと理解を改善する。SFIAを利用することにより、組織は一貫した総合的なスキルおよび人材管理体系を実現することができる。

包括的なリソース戦略とスキル管理

SFIAは、スキル管理プロセスに使われるのと同じ能力基準により、現行能力測定と将来要求計画を含む要求把握に使われる。

組織は、容易に理解可能なスキルとレベルの定義を通して採用と配置に一貫性を持たせることができる。これにより、人材の不適切な配置によるリスクと損失の可能性を低減する。

人材の能力の理解と、専門性開発計画のために共通言語を利用することは、スキル開発に構造と焦点をもたらす。

人材育成に共通言語と構造を持つこと、採用と配置において一貫性を持たせられること、専門性育成計画、および人材の能力を理解すること。

このサイクルの構造は、SFIA利用の順序を意味するわけではない。SFIAの利用のきっかけは、従業員満足度やスキル開発など、固有の課題や機会への対応であって構わない。課題は一つのチームやプロジェクト、あるいは技術部門全体の新たな運用モデルの一部など広範囲なものであっても構わない。きっかけにかかわらず、SFIAの利用は、必要に応じてサイクルの別の場所に展開することができる。

組織の視点から見ると、一つの論理的な開始場所は、採用する必要がある新たな人材を知るところかもしれない。

計画と整理

運用モデル目標と組織構造の設計および人材計画の実行

SFIAは組織構造と目標となる運用モデルの構築と検証に利用することができる。SFIAを職位/役割の分析とスキルマッピングに利用することは、組織設計における職位のスコープの簡易な相互検証と、効果的なボトムアップレビューの役割を果たす。SFIAの責務の階層は、制御の範囲と組織の階層数の最適化に役立つ。SFIAを元にした一般的なプロファイルは、組織の柔軟性を可能にする。SFIAの責務の階層は、運用モデルと組織設計を、再構築する必要なく、柔軟で変更可能にする。

SFIAは特別の運用モデルや組織構造を前提とはしない。SFIAは、機能別、階層別、プロセス指向のモデルから、アジャイルで協同的な業務手法の実現まで、等しく有効である。

職務記述書と役割プロファイルの作成

SFIAを元にした役割プロファイル、職務記述書、スキルプロファイルは、組織におけるSFIAの最も一般的な利用法と言えるだろう。フレームワークの利用において、文脈は重要であり、なんの脈絡もなくスキルを利用し、職務記述書や役割プロファイルを作成するのではなく、組織の要求を理解することは非常に重要である。これらの特定の組み合わせは、組織ごとに異なる。

SFIAによって整理された職務記述書と役割プロファイルが有用かつ評判なのには理由がある。

  • 完全なスキル管理サイクルを支援することができる。
  • 期待を満たすための生産性と成果目標を明確にする。
  • 必要なスキルを持った個人を採用・育成する確率をあげることにより、ビジネス上のリスクを低減する。これは組織と個人双方にとって望ましいことであり、個人が「仕事が思っていたものと違う」と感じたり、個人が業務を効率的に遂行するための適切なスキルを持っていないことを組織が見出したりすることによる転職のコストを低減する。

多くの組織は、標準的なスキルを組み合わせることにより、このプロセスを合理化している。これは一般的に役割プロファイルや専門性プロファイルと呼ばれている。SFIAを適切に適用するためには、スキル、役割、業務の関係を明確にすることが重要である。

SFIAは、個人が実行することを求められる全てのことを網羅することを目的としていない。SFIAは、製品や技術固有のスキルや知識、業界経験や資格などを扱わない。例えば、サービスデスクのマネジャーには、特定のプロセスフレームワーク(ITILやCOBITなど)と、その組織で使われている特定のサービスデスクツールの知識、さらには業界固有の経験、セキュリティ要件、特定の資格などが必要とされる。

SFIAの利用は、業務/役割の設計に大いに役立つが、フレームワークそのものは役割、業務、組織単位を定義するものではなく、それらの構築を支援する構成要素を提供するにすぎない。SFIAには、組織設計のテンプレートや例示、推奨などは存在しない。更に、SFIAのカテゴリやサブカテゴリは、特定の組織、部門、チームや業務を意味することに用いるべきではない。

業務は、1つ以上の役割で構成され、同様に、役割は適切なスキルレベルの1つ以上のスキルで構成される。例えば、ある組織において、サービスデスクマネジャーの求人が公開されていると想定する。この業務には、インシデント管理プロセスオーナー、主要インシデントマネジャーおよびナレッジ管理プロセスオーナーの役割(およびその他の役割)が含まれる。それぞれの役割は、SFIAによって定義される1つ以上の特定のレベルのスキルから構成される。

例えば、メジャーインシデントマネジャーの役割と、この役割を担う人が実行しなければならない作業の詳細は、インシデントマネジメントプロセスに記述することができる。この役割プロファイルは、役割に関する一般的な責務の階層を記述するためにSFIAを利用し、この役割を要求される基準で一貫して実行するためのSFIAのスキルとスキルのレベルを含む。この役割は様々な役職の複数の人材により実行されることがあるため、複数の職務記述書に記載される。

人材獲得

適切なスキルの採用、スタッフ補充および人材業者との連携管理

SFIAは適切なスキルを持った人材の採用を支援する。採用は複数のルートから行われる。

  • 人材の獲得(正社員、臨時社員、請負契約社員)
  • 合併および買収
  • サービス提供業者との契約(例:アウトソース、人材派遣、業務請負、教育、訓練、コンサルティング)

SFIAを元にした職務/業務記述書は、必要とされる責務の階層とスキルを明確にする。それによって、適切な候補者に訴求することができる。続く評価と採用基準は、SFIAのスキルとレベルに連携させることができる。

同様の手法は、人員整理などの結果としての人材の放出や分割にも利用することができる。

アウトソーシングおよびオフショアリングの場合、顧客とサプライヤの双方に対して、SFIAは、求められ・提供される能力の定義について、明確で透明性の高い基準を提供する。

人材ベースのサービスの調達においては、SFIAのレートカードが役に立つ。これは、供給者による人材ベースのサービスを比較することを可能にする。サービス提供者は彼らの提案と人材をSFIAのスキルとレベルにマッピングする。人材の費用の差異は明確に示される。顧客は配置された人材が、要求に合致するために必要なスキルを持っていることを確認することができる。

人材配置

能力に応じた人材の配置

効果的なスキル管理は、組織と個人の両方にとって最適な方法で、人々を働かせることを可能にする。マネジャーは、人々を適切な業務につけることによって、モチベーション、エンゲージメント、生産性を改善する。目的の定まった配置は、個人にとって新たなスキルを開拓する良い機会も与える。

プロジェクトや運用のリスクは、適切なスキルを持った人材を割り当てることにより減少する。SFIAを利用することは、単なる知識だけでなく、実際の能力を元にこれを行うことを意味する。適切な配置は、人材のより効率的な利用、適切な育成、人材派遣費用の削減可能性などに繋がる。マネジャーは、チームに不足しているスキルに着目し、それらのリスクに対処するために人材を配置することにSFIAを利用する。

SFIAのもたらす自由度は、人材配置について、組織の機能的な構造を実現する以外の手法を提供する。これには、コンピテンシーセンターやリソースプールなどが含まれる。これらの手法では、人材は一時的な配置、アジャイルプロジェクトチーム、さらには個別のタスクなどに配置される。

人材派遣、業務委託など外部の能力を、適切な業務に割り当てることは、成果と投資対効果を追求するために重要である。組織は、派遣人材の置き換えプログラムを通じて、SFIAを費用削減の可能性の検討に使うことができる。人材派遣により提供されているスキルを特定することにより、それらのスキルを内部的に確保または育成する計画を立案することができる。

評価

スキル、スキルの要求、パフォーマンスと能力の評価

SFIAは、個人および組織レベルでの既存の能力の評価に広範囲に利用されている。評価は、後に続く分析と育成の入力となる、重要な初期の診断ステージである。

SFIAはスキル評価を行うための強力な診断ツールを提供する。個人は既有のスキルおよび経験の評価、目標の設定、および自らが達成しようとするスキルとそのレベルを特定することによる専門性育成計画に、その評価を利用することができる。

組織は、個人のスキルを、分析と育成計画に繋がるような客観的な手法で評価することができる。SFIAの客観的な性質は、被評価者が納得する評価をマネジャーが行うことを助ける。

SFIAは必要とされるスキルとコンピテンシーを表現する共通言語であることに注目しているため、フレームワークそのものは、評価のための手順や、個人や組織が評価すべきスキルの組み合わせを指定していない。

分析

スキルのギャップ、育成の要求と機会の特定のための業績と能力の分析

分析は評価と表裏一体である。スキル評価を行なった場合、評価データは育成計画を含む意思決定のために分析されることがある。実績はビジネス目的に対して評価され、それが育成目標の場合は、SFIAスキルが参照される。

SFIAの実用的な定義は、実績の分析により個人の強みと育成の必要性を明らかにすることを可能にする。これにより、マネジャーが個人のコンピタンスを評価し、その個人の業績の背景を分析することができるようになる。 このように業績の分析と個人への説明に客観性を持たせることは、評価に対する従業員の満足度、モチベーション向上、定着率の改善に繋がる。

評価情報は、組織が所有していると考えるスキル能力と、必要となるスキルを特定するために組み合わせて利用することができる。これがスキルギャップとなるが、安定したフレームワークを利用することにより誤解の可能性が下がる。

変化する顧客要件、合併および買収、新しいサービスまたは製品、市場の動向またはビジネス目標の変化など、ビジネス変化の時期においては、スキルの持つ影響を特定、表現するためにSFIAを使用し、計画と提供をサポートすることができる。

育成

能力と実績を形成およびキャリアパス提供のための育成業務の企画と実行

組織の要求に沿った個人の能力開発は、SFIAの客観的なコンピテンシーの表現に基づいて行われる。

SFIAは、以下の要素に基づいて、育成目標の定義の支援に利用することができる。

  • 育成すべきスキルまたはスキル要素を見極める
  • 目標とする能力の水準を明確化する
  • どのように育成が実現され、どのような支援が必要とされるかについての、決定および合意をを支援する

支援は、座学やトレーニングコースなどに限らず、様々な異なったやり方によって行われる。例えば、コーチング、メンタリング、背伸びさせた業務、観察学習、トレーニングと認証、外部イベントへの参加、勉強会や実践コミュニティへの参加などがある。

現在のスキルレベルが個人のパフォーマンスにどのように影響を与えるかを適切に分析することにより、実際に機能する、関連性のある開発計画を策定することができる。訓練の具体的な成果をあげることは常に重要である。焦点が定まった育成計画を構築することは、訓練費用から得られる価値に大きな違いをもたらす。

SFIAを使用することにより、個人の健全な成長、効率的な投資および組織の本当の要求に沿ったスキル育成の検証などが促進される。

雇用者は、個人またはグループの教育および訓練の目標を設定するためにSFIAを利用することができる。また、教育および訓練の提供者は、学習成果を説明し、効果を向上させるために使用することができる。これにより、雇用者が、資格や認定の必要性を理解し、既存スタッフに対して、訓練と教育における的を絞った投資を行うことを支援する。

また、個人の定義された育成要求を、個人をタスクに割り当てるプロセスに組み込むことも可能である。

報酬

スキルと能力に応じた個人の報酬と補償

組織はSFIAの責務の階層を、業務評価と格付けに利用することができる。階層の各要素について、ある階層と次の階層に明確な差があることは、特に有用である。職務記述書とSFIAの階層を連携させることにより、業務の格付けが明確になる。

自律性、複雑性、影響度、知識、ビジネススキルの各要素は、多くの業務格付け手法と組み合わせることができる。これにより、あらゆる専門領域に対して、一貫した給与水準を設定することができる。

職務記述書と専門性プロファイルの作成支援にSFIAを利用することは、職務と人材のレベルの評価に対して、高い客観性をもたらす。個人の業績の評価と判断にSFIAを利用することは、あらゆる企業の尺度における個人の評価について、決定しコミュニケーションすることを支援する。個人とサービス提供者が、給与、報酬、ボーナス、フィードバックなどからその業績を認識することは重要であり、SFIAはその仕組みの基礎を提供することができる。